以前、仕事のあとによく泳ぎに行っていました。何かの大会を目指していたわけではありません。誰からも「メッセージを確認して」と言われない、その30分が好きだったのです。
でも、その話をポルトガル語でするとき、いつも fui を使っていました。平日はほとんど毎日行っていたのに、一度だけプールに行ったように聞こえてしまいました。
Eu fui à piscina は一度の訪問を伝えます。「プールへ行きました」。Eu ia à piscina depois do trabalho は習慣の話です。「仕事のあと、プールへ行っていました」。同じプールでも、伝える情報が違います。
ブラジルポルトガル語の完全過去と不完全過去は、この違いから考えるとわかりやすくなります。どちらも過去の話ですが、出来事をひとまとまりとして伝えるのか、当時の習慣や進行中の状況として描くのかが違うのです。
Eu fui と Eu ia:まずは違いを確認
**Pretérito perfeito(完全過去)**は、過去の出来事や期間をひとまとまりとして示します。**Pretérito imperfeito(不完全過去)**は、習慣、背景となる状態、進行中の動作を、その終わりに焦点を当てずに描写します。
| 伝えたいこと | ポルトガル語 | 日本語 |
|---|---|---|
| 一度の完結した訪問 | Ontem eu fui à feira. | 昨日、市場へ行きました。 |
| 過去の習慣 | Eu ia à feira aos domingos. | 日曜日は市場へ行っていました。 |
| 進行中の動作 | Eu ia para casa quando começou a chover. | 家へ向かっていると、雨が降り始めました。 |
| まとまりのある期間 | Morei em Recife por dois anos. | レシフェに2年間住みました。 |
| 別の出来事の背景 | Eu morava em Recife quando conheci a Ana. | アナと知り合ったとき、レシフェに住んでいました。 |
レシフェでの2年間に注目してください。長い経験でも、その期間をひとまとまりとして示すなら完全過去を使えます。長さだけで時制は決まりません。
パーティーの話を想像してみましょう。「着いて、食べて、帰った」は出来事を伝えています。「人が多くて、みんな踊っていて、お腹がすいていた」は背景の描写です。普通の話には両方が必要です。
Mango Languagesによる2つの過去形の解説にも、説明と練習用の資料があります。こちらは英語です。
Fui は「行った」だけではない
少し意外なのは、**ir(行く)とser(〜である)**の完全過去の活用が同じことです。Eu fui ao mercado は「市場へ行きました」。Eu fui o primeiro a chegar は「最初に到着したのは私でした」。どの動詞なのかは、文の残りの部分から判断します。
不完全過去では別の形になります。Eu ia は ir、eu era は ser です。後者を復習したい方は、serとestarの使い分けを読んでみてください。
ブラジルポルトガル語で完全過去を使う場面
起きた出来事を報告するとき、完了した出来事の回数を数えるとき、区切りのある期間をまとめて振り返るときに使います。
Ontem peguei o ônibus, fui ao cinema e voltei tarde.
昨日はバスに乗り、映画館へ行って、遅く帰宅しました。
動詞が一つ増えるごとに、次の出来事が加わっています。バスに乗ったのが何時何分だったかまで言う必要はありません。完結した出来事を表すために、正確な時刻が必要なわけではありません。
Fui à praia três vezes no mês passado.
先月、海へ3回行きました。
繰り返しだから必ず不完全過去、というわけでもありません。ここでは終わった月の中で、3回の外出を数えています。Eu ia à praia depois do trabalho「仕事のあとによく海へ行っていました」と比べてみましょう。こちらは習慣を描写していて、回数を合計していません。
天気も同じです。Choveu a noite inteira「一晩中雨が降りました」は、夜をひとまとまりの期間として示します。Chovia quando saí「出かけたとき、雨が降っていました」は、出発の背景となる天気を描いています。
よく使う形から覚える
まず eu の形から始めて、ほかの人称も練習しましょう。時制を見分けることと、自分で正しい語尾を出すことは別の練習です。
| 動詞 | 完全過去:eu | 不完全過去:eu |
|---|---|---|
| falar — 話す | falei | falava |
| comer — 食べる | comi | comia |
| abrir — 開ける | abri | abria |
| ir — 行く | fui | ia |
| ser — 〜である | fui | era |
| estar — いる、ある状態にある | estive | estava |
| ter — 持つ | tive | tinha |
規則的な -ar 動詞は、eu の不完全過去で -ava になります。規則的な -er・-ir 動詞は -ia です。よく使う ser や ter には固有の形があります。この小さな表を、すべての動詞に当てはまる規則にしないようにしましょう。
発音では、fui は1音節。Ia は i-a の2音節で、最初を強く発音します。Falava は la、comia は mi に強勢があります。ここでいう強勢は、日本語の高低アクセントとは同じではありません。語尾には意味があるので、曖昧にせず発音してみてください。
Falandoで練習: 動詞活用練習で、まず Pretérito Perfeito と Pretérito Imperfeito を別々に練習しましょう。例文全体を声に出すと、形を意味と結び付けられます。
不完全過去:習慣と、そのときの状況
数年前の日曜日は、どんなふうに過ごしていましたか?
Aos domingos, eu almoçava com a minha família.
日曜日は家族と昼食を食べていました。
これは繰り返されていた昼食の話です。昼食がいつまでも終わらなかったとは言っていません。Imperfeito という名前が示すのは過去の描き方であって、永遠に食べ終わらないご飯の皿ではありません。
不完全過去は、ある特定の日の背景にも使えます。
Era domingo. Fazia calor e a cozinha estava cheia.
日曜日でした。暑くて、台所には人が大勢いました。
Eu tinha dez anos quando aprendi a nadar.
泳ぎ方を覚えたとき、私は10歳でした。
年齢には ter を使うので、tinha dez anos が当時の年齢を示します。Aprendi は覚えたことを出来事として伝えています。一つの文で時制が混ざっていても、同じ過去の時点について話すことができます。
2つの過去形を使った短い話
Eu esperava o ônibus quando vi um amigo. Ele carregava uma sacola enorme. Conversamos um pouco e depois ele foi embora.
バスを待っていると、友人を見かけました。彼は大きな袋を持っていました。少し話をして、それから彼は立ち去りました。
Esperava と carregava は進行中の動作を描いています。Vi、conversamos、foi は出来事です。Estava esperando、estava carregando と言うこともできます。ブラジルでは自然な言い方で、動作の進行をより明示します。
一つの出来事が、別の動作を実際に中断させる必要はありません。友人を見かけたあとも、バスは待ち続けられます。大切なのは、話の中で動作をどう関連付けているかです。
テキサス大学の ClicaBrasilの不完全過去の資料には、ほかの活用や、習慣・進行中の状況の例も載っています。
使い分けで気を付けたい6つのこと
- Ontemがあっても、完全過去とは限りません。 Ontem, às oito, eu estava em casa は「昨日8時には家にいました」。正確な時刻は、背景となる状態の時点も示せます。
- Sempreがあっても、不完全過去とは限りません。 Naquela época, eu sempre ia a pé は以前の徒歩の習慣。Durante a viagem, sempre fui a pé は一回の旅行を振り返って「毎回歩いて行った」とまとめています。
- 長い・短いだけでは決まりません。 Trabalhei lá por dez anos は10年間をひとまとまりとして伝えます。Eu trabalhava lá quando conheci a Ana は、アナと知り合ったときの状況を描写します。
- 不完全過去だけでは、今どうなのかはわかりません。 Eu morava em Recife は会話では引っ越したことを連想させる場合がありますが、時制自体が現在の住所を決めるわけではありません。話題にしている過去の状況を描いています。
- パーティーの話にはeraもfoiも使えます。 A festa era na casa da Ana は、過去の状況説明や予定の中で場所を示します。A festa foi na casa da Ana は、実際に開催された場所を報告します。自然な選択は文脈次第です。
- Iaと不定詞の組み合わせに注意。 Eu ia ligar, mas esqueci は「電話するつもりでしたが、忘れました」。電話する予定はあっても、電話したという報告ではありません。Eu ia だけなら、習慣、移動中の動作、省略された予定のどれかは文脈で判断します。
最後の例は、予定どおりにできなかったときに使えます。Foi mal, eu ia ligar, mas esqueci は「ごめん、電話するつもりだったけど忘れた」。Foi mal はくだけた謝り方です。友人には使えても、深刻な謝罪では軽く聞こえることがあります。
迷ったら、起きた出来事を報告したいのか、昔の習慣や当時の状況を描きたいのかを考えてみてください。時制を決める単語探しより、意味の確認が先です。
完全過去か不完全過去か:6問で練習
括弧内の意味に合う形を選びましょう。別の文脈なら別の時制も使えます。ここでは状況の指定も問題の一部です。
- Ontem eu fui / ia ao mercado e voltei às dez. (一度の完結した外出。)
- Quando era criança, eu fui / ia à praia todo verão. (子どもの頃の習慣。)
- Eu esperei / esperava o ônibus quando vi a Ana. (会ったとき、待っている最中だった。)
- Morei / Morava em Recife por dois anos; depois me mudei. (終わった期間をひとまとまりとして示す。)
- A cozinha esteve / estava cheia quando cheguei. (到着時の状況。)
- Eu fui / ia telefonar, mas esqueci. (予定していたが、実現しなかった電話。)
答えと理由
- Fui。「昨日、市場に行って10時に戻りました」。外出をひとまとまりで報告しています。
- Ia。「子どもの頃、毎年夏に海へ行っていました」。習慣の説明です。
- Esperava。「バスを待っているときにアナを見かけました」。待っている動作が背景です。
- Morei。「レシフェに2年住み、そのあと引っ越しました」。長くても、完結した期間です。
- Estava。「着いたとき、台所は人でいっぱいでした」。当時の状態の描写です。
- Ia。「電話するつもりでしたが、忘れました」。予定はあっても、電話は実現していません。
Falandoで練習: 文法ガイドで2つの過去形を復習し、1問目と2問目を自分の話に書き換えてみましょう。行き先を同じにして、一回の訪問を習慣に変える練習です。
ブラジルポルトガル語の過去形:よくある質問
Eu fuiとeu iaはどう違いますか?
Ir の fui は、完結した移動や出来事を報告します。Ia は習慣や進行中の移動を描き、不定詞と一緒なら過去の意図も表せます。Ontem fui、todo domingo ia、ia ligar のように、文脈を付けて比べましょう。
不完全過去は、動作が終わらなかったという意味ですか?
いいえ。終わりに焦点を当てず、状況を描いているということです。Almoçava と表した昼食は普通に終わったかもしれません。文が伝えているのは、習慣や食事中の様子です。
「〜した」と「〜していた」に置き換えればいいですか?
最初の手掛かりにはなりますが、一対一ではありません。Morei por dois anos を日本語では「2年間住んでいました」と訳せても、ポルトガル語は完全過去です。ここで扱う falei などは単純形の pretérito perfeito simples。Tenho falado は別の複合形で、現在まで繰り返されたり続いたりする行為を表すことが多くあります。
2つの時制を同時に覚えたほうがいいですか?
意味は並べて比較し、活用は少しずつ練習しましょう。まず fui/ia、falei/falava、estive/estava を使えるようにするほうが、全活用を完璧に暗唱するより役立ちます。
この前の日曜日を話してみよう
4文書いてみてください。完結した出来事を2つ、背景の説明を2つ。天気、そこにいた人、誰かがしていたことなどで十分です。声に出して読み、動詞が言いたい意味を表しているか確かめます。
次に、子どもの頃の日曜日を描いてみましょう。習慣の話なので、不完全過去が増えるはずです。2つの文章を比べ、時制を変えると想像する場面も変わるか考えてみてください。
Porとparaの次に練習するなら、こんなふうに意味から文法を選ぶのがおすすめです。Falandoの動詞活用練習で形に慣れたら、自分の生活についての文に戻して使ってみましょう。プールへの一度の訪問も、仕事のあとの習慣も、今度は区別して話せます。


