クイックまとめ
e → i は eu の形だけ: servir → eu sirvo(出す)、vestir → eu visto(着る)、seguir → eu sigo(従う)。ほかの形は e のまま: você serve。
o → u も eu の形だけ: dormir → eu durmo(寝る)、cobrir → eu cubro(覆う)、tossir → eu tusso(咳をする)。
u → o は逆走します。eu の形のほうが規則的で eu subo(上がる)、você sobe、eles sobem が o を取ります。
nós は決して変わりません: servimos、dormimos、subimos。語尾にアクセントが乗れば、語幹は無事です。
pedir は親戚であって仲間ではありません: 変わるのは母音ではなく子音です — eu peço(頼む)、você pede。
日本語の動詞は語幹の母音を替えません。替わるのは語尾だけです(書く→書かない→書きます)。だから eu dormo と書きたくなるのは母語の圧力であって、不注意ではありません。
毎日の混同が2組: peço(頼む)と posso(できる)、sigo(従う)と sinto(感じる)。
なぜ大切か?
珍しい動詞ではありません。Dormir(寝る)、vestir(着る)、pedir(注文する)、preferir(〜のほうが好き)、sentir(感じる)、servir(出す)、seguir(従う)は、一日のこと、食べ物のこと、気分のことを話すたびに出てきます。語幹を間違えると eu dormo や eu prefero が口から出て、これはブラジルのポルトガル語で最も見分けのつきやすい初級ミスの2つです。意味は一瞬で通じ、外国人だということも一瞬で伝わります。
しかも変わるのは eu の形 — つまり注文するとき、頼むとき、自分の調子を言うときに使う、まさにその形です。eu peço(〜をください)、eu prefiro(〜のほうがいいです)、eu sinto(〜と感じます)。カフェで最初に口から出る形がこれです。
日本語話者にとってここが手ごわいのには理由があります。日本語の動詞は語幹の母音を絶対に替えません。「寝る」は活用しても ね- のままで、ぬ- にはなりません。変化はすべて語尾で起きます。だから dormir の語幹に手を入れるという発想そのものが母語にないのです。ただし完全に未知でもありません — 「書く→書いて」「読む→読んで」の音便は、あとに来る形しだいで語幹の姿が変わる現象で、しかも「書きます」では起きません。ポルトガル語のここも、同じ発想です。
掘り下げ解説
1. 語尾は動かない — 動くのは語幹だけ
規則的な -ir 動詞は簡単なほうです。Abrir(開ける)は最後まで同じ語幹を保ちます。
| 形 | abrir(開ける) | 意味 |
|---|---|---|
| eu | abro | 私は開ける |
| você / ele, ela | abre | あなたは/彼・彼女は開ける |
| nós | abrimos | 私たちは開ける |
| vocês / eles, elas | abrem | あなたたちは/彼らは開ける |
その隣に servir(出す)を置いてみます。語尾は同一です — -o, -e, -imos, -em。動いたのは語幹の中の母音だけで、しかも一度だけです。
例文
文脈のなかの例文
| ポルトガル語 | 意味 |
|---|---|
| Eu prefiro café sem açúcar. | 砂糖なしのコーヒーのほうが好きです。 |
| Você prefere praia ou piscina? | 海とプール、どちらが好きですか。 |
| Eu durmo oito horas por noite. | 一晩に8時間寝ます。 |
| Vocês dormem bem com tanto barulho? | こんなにうるさくてよく眠れますか。 |
| Eu sirvo o almoço às onze e meia. | 昼食は11時半に出します。 |
| Ela sempre repete a mesma história. | 彼女はいつも同じ話を繰り返します。 |
| Eu visto uma camisa branca no trabalho. | 職場では白いシャツを着ます。 |
| Eu sinto muito pelo atraso. | 遅れて本当にすみません。 |
よくある例外
よくある間違い
eu の形を規則的なままにする。 eu dormo が最頻出のすべりで、正しくは eu durmo(寝る)です。日本語の動詞が語幹の母音を替えないぶん、この間違いは日本語話者に特に起きやすい、と自覚しておくと防げます。変化が噛みつくのはそこだけなので、você dorme は予想どおりの形です。
変化を広げすぎる。 ele pide や eles sirvem は存在しません。e → i のクラスで動くのは eu の形だけです: ele pede、eles servem。
peço と posso。 Eu peço ajuda.(助けを求めます。)は pedir から。Eu posso ajudar.(手伝えます。)は poder から。たまたま似た音の、別の動詞です。
sigo と sinto。 Eu sigo você no Instagram.(インスタでフォローしています。)は seguir。Eu sinto saudade de você.(あなたが恋しいです。)は sentir。
nós の形に手を入れる。 nós durmimos も nós sirvimos も誤りです。nós の形は常に規則的: nós dormimos、nós servimos。
subir をほかと同じに走らせる。 ele sube は誤りで、ele sobe(上がる)です。このクラスでは、仲間はずれは eu の形ではありません。
i を伸ばして書く。 ポルトガル語は母音を i ひとつに上げるだけで、prefiero のように割れることはありません。✅ eu prefiro。カタカナで「プレフィエロ」と読みたくなったら、そこがずれの合図です。