クイックまとめ
作り方: 点過去の三人称複数から -ram を取り、-ra, -ras, -ra, -´ramos, -ram を付ける — falaram → falara。
意味: すでに使っている複合大過去と完全に同じ — falara ≡ tinha falado。
認識のみ。 ブラジルの話し言葉では死んでおり、会話で使うと芝居がかって響きます。日本語の文語を口に出したときと同じ効果です。
nós の形には必ずアクセント記号が付きます: faláramos, comêramos, fôramos。
罠: 三人称複数は素の点過去とまったく同じ形です — falaram は「彼らは話した」でも「彼らは話していた」でもあります。
罠: fora は ser と ir の大過去であり、同時に「外に」という日常語でもあります。
話し言葉に生き残っているのは凍った表現だけです: quem me dera、tomara (que)、pudera!
なぜ大切か?
ブラジルの小説、社説、判決文を開けば、この時制が待っています。しかもたいてい、それ以前に何が起きていたかを説明するために文章が一歩下がる、まさにその瞬間にです。
見落とすと段落の時系列を失います。回想を物語の本線として読んでしまったり、fora を「外に」という語と取り違えて文が崩れたりします。
tinha falado への変換は完全に機械的なので、この形に30分向き合えば、そうしなければ何年もつまずき続ける文体をすらすら読めるようになります。
日本語話者には、この投資の意味がすぐ分かるはずです。古文の助動詞をひととおり覚えると、新聞の硬い文章や法律文が急に読めるようになる — あの感覚と同じ種類の投資です。しかもポルトガル語のこの形は、覚える規則がひとつしかありません。
掘り下げ解説
1. 読むための時制、それだけ
正直なところから始めます。この形は認識するために学ぶのであって、使うためではありません。ブラジルでは単純大過去は話し言葉から完全に消えています。これでコーヒーを注文する人も、口論する人も、メッセージを打つ人もいません。サンパウロで eu já falara com ele と声に出せば、微笑まれます。19世紀の芝居を朗々と読み上げているように響くからです。
日本語で「われ既に語りたり」と言ったときの反応を想像してください。意味は完全に通じ、そして誰も真顔ではいられない。ちょうどその位置です。
しかし読むほうでは絶えず出会います。小説、硬派な報道、判決文、学術散文で。そして読み間違えやすい。いくつかの形が、すでに知っている語とまったく同じだからです。ですから以下はすべて目のために組み立てられています。形を見つけ、tinha falado に変換し、読み進める。
2. ひとつの機械的な規則がすべての形を作る
点過去の三人称複数を取り、-ram を切り落とし、語尾を付けます。
例文
文脈のなかの例文
| ポルトガル語 | 意味 |
|---|---|
| Ela guardara a carta por trinta anos. | 彼女はその手紙を30年間しまっていました。 |
| O trem já partira quando ele chegou à estação. | 彼が駅に着いたとき、列車はもう出ていました。 |
| Ninguém percebera o erro no relatório. | 誰も報告書の誤りに気づいていませんでした。 |
| O ministro afirmara o contrário dois dias antes. | 大臣は2日前に逆のことを述べていました。 |
| Fizera-se silêncio na sala. | 部屋には沈黙が落ちていました。 |
| Nós lhe déramos a última chance. | 私たちは彼に最後の機会を与えていました。 |
| Ele nunca estivera tão perto do fim. | 彼はそれまで終わりにこれほど近づいたことがありませんでした。 |
| A cidade mudara muito desde a última visita. | その町は前回の訪問から大きく変わっていました。 |
よくある例外
よくある間違い
falara を未来として読む。 鋭アクセントひとつが違いのすべてです: falara(話していた)と falará(話すだろう)。過去の語りの中なら大過去に賭け、決める前にアクセントを確かめてください。日本語の「早い/速い」と同じ、目で分ける区別です。
三人称複数を何でも大過去にする。 Eles chegaram antes(彼らは先に着いた)はほぼ毎回ふつうの点過去です。「着いていた」と読むのは、文が別の過去の瞬間より前の時点を必要とするときだけです: Quando entramos, eles já chegaram(入ったとき、彼らはもう着いていた)。
fora を「外に」と取る。 Ele fora à praia(彼は海に行っていた)は動詞であって、迷子の副詞ではありません。vira も同じです: Ele nunca vira aquilo(彼はそれを見たことがなかった)に対して Ele vira à esquerda(彼は左に曲がる)。
化石を生きた時制として扱う。 Tomara que dê certo(うまくいくといいな)は接続法現在を取り、過去ではなく未来を指しています。quem me dera、pudera! も同じく凍っています。
会話で使ってしまう。 文法的には完璧、社会的には芝居がかっています。eu já falara を聞いたブラジル人は過去ではなく舞台を思い浮かべます。日本語で「既に語りたり」と言うのと同じ効果だと考えてください。代わりに eu já tinha falado と言いましょう。
一つの文章の中で二つの体系を混ぜる。 falara を使うほど改まった文章を書くなら、その段落を通してそれで押し通してください。行ごとに falara と tinha falado を行き来すると、文体ではなく手の震えに読まれます。日本語で文語と口語を段落内で混ぜたときと同じ印象です。
豆知識
falara はラテン語からほとんど姿を変えずに受け継がれた
単純過去完了はラテン語の直説法過去完了を直接受け継いだ形です。amaveram → amara、debueramus → devêramos、partiverant → partiram。ポルトガル語は受け継いだ形をほぼそのまま保っており、文法家はこれを、ポルトガル語の動詞がいかに保守的か——ロマンス諸語の多くよりラテン語の姿に近いか——を示す最も明確な証拠の一つとして挙げています。
スペイン語は同じ形を残しつつ役割を変えた
スペイン語もまったく同じ形 amara を受け継ぎましたが、15世紀初頭までに接続法過去へと移りました。現代のスペイン語話者が amara を amase と同じものとして読むのはそのためです。ポルトガル語はこの転換を経ていないので、falara はいまも tinha falado の意味です。すでにスペイン語を話せる人にとって、共通の形が近道ではなく落とし穴になる数少ない場面です。
出典: «Sobre a história do mais-que-perfeito simples do indicativo» — Ciberdúvidas da Língua Portuguesa.